子どもが夜に
まとまって寝てくれるようになり
寝かしつけた後に夫にまかせて
週に1度1-2時間くらい
お茶をしに外に出る時間が
最近のなによりのご褒美
制限がある中での自由は
なんでもありの時よりも
うんと身体に染み入る
ずっと読みたいと思いながら
妊娠中は本を読む気になれず
読めていなかった
ばななさんの新刊を
少しずつ読み進めている
読みながら気づいたことは
自分がとても弱っている
ということだった
いつもばななさんの本を読むと
小説でもエッセイでも
ここままでいいんだ
これからもまだ生きていける
そんな気持ちになる
今回は小説を読みながら
生きるということを
間違えてはいけない
そんなことを思った
病院というシステムの一部に
上手にはまっているために
人間として生きる大事なものを
感じないようにしてきたことが
自分自身を傷つけて
戻り方がわからなくなっている
そのことに気がついて
後回しにしていた
自分のケアを始めたり
小説や映画など
物語の力を借りて
生きるということの
温度や感触をもった輪郭を
少しずつ思い出しながら
リハビリのような日々を
過ごしている
自分を持ちながら
この社会のシステムの中で
生きていくことは
とてもエネルギーが
いることなのだと
この経験で感じたけれど
ほどよくシステムと距離をとりながら
自分の快適さを
もっていられるバランスは
きっとあるのだろう
それをあきらめずに
見つけていきたい
生きるヒントに溢れていて
産後の身体には響きすぎるくらいに響いて
何度も本を閉じては
言葉を身体になじませながら
少しずつ読み進めている