つながる場所

好きな俳優のひとり
キムゴウンの新しい作品
ウンジュンとサンヨン」を観る
 
 
久しぶりの韓国ドラマで
子どもを寝かしつけた後に
毎日少しずつ観る時間が楽しかった
 
 
 
 
 
観終わってからこの数日
その余韻の中にいる
 
 
自分の内側で
いろいろな動きがあらわれては
新しい視界がひらけ
それに合わせるように
自分の中にある
さまざまなものの配置が変わり
少しずつ変化が続いていくような日々
 
 
 
 
 
 
 
サンヨンはどこか
過去の自分を見ているようだった
 
 
あんなに極端なことは
選択しないけれど
自分の壊しかた
追いつめられた時に
選ぶ振る舞いが
痛いほどに理解できた
 
 
 
 
 
 
 
私自身のその背景には
両親の姿がある
 
 
 
2人とも
内的な難しい局面に立たされると
自分を追いつめるような
自分をどこか痛めつけるような選択を
とることがある
 
 
 
人に助けを求めること
差し出された助けを
受容することを選ばない
悲しみの世界に閉じこもって
出てこなくなる
 
 
 
大事なときほど
そんな振る舞いをするのを
何度もみてきた
 
 
 
 
 
 
 
私にもあるそのくせは
友人や夫の存在のおかげで
ずいぶんと和らいできたけれど
まだ残っている
 
 
出産直後にもよく顔を出し
やはりここでも
友人や夫に助けられながら
また少し輪郭をゆるめていった
 
 
 
 
 
 
 
 
両親のその振る舞いの背景に
私は戦争の影を感じずにはいられない
 
 
 
戦後の厳しい状況の中
家族の生活を一手に引き受け
歯を食いしばって
生きてきた祖母たち
 
 
 
父が乳幼児の時に
祖父は戦争へ行き
そのまま戻らず
父親不在を生きてきた父
 
 
 
戦争へ行き
精神を病んでしまった
歳の離れた兄弟をもつ母
 
 
 
おしゃべりな2人が
そのあたりのことを話しているのを
ほとんど聞いたことがない
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私の中にも
戦争の影響を受け
ひそかに存在し続け
時折、顔を出す場所がある
 
 
 
 
 
 
 
 
ウンジュンがサンヨンに
最期に言った言葉がある
 
 
 
その言葉をずっと
言ってもらいたかったのかもしれない
 
 
 
私も
父も母も
祖父も祖母も
 
 
 
 
 
 
それから時々
自分の中にある場所に
その言葉をかけている
 
 
 
これが私のできる
平和への祈り
 
 
 
少しずつ
自分の中に平和を
増やしていく
 
 
 
 
その場所はきっと
両親や
祖父母や
傷ついてきた方たちがいる
世界とつながっているから
 
 
 
 
 
 
 
自分なりのやり方で
自分の代で終わらせていきたいものに
これからも取り組んでいこうと思う
 
 
 
 
 
それはとてもとても
小さな取り組み
だけれども
とても小さく
世界は変化していく
そう信じている
 
 
 
 
 
 
 
 
 
サンヨンが最期に
素直になれて
本当にうれしかった
 
 
 
私もあんなふうに
自分との争いを
終えていきたい