かたつむりのように

 

良きことはかたつむりの速度で動く。

自分のためではなく人々のために働く人は、いたずらに急がない。なぜなら、人々が良きことを受け入れるには、多くの時間が必要なことを知っているから。

マハトマ・カンジー

 

セッションを提供するときや自分自身を見守るときに大切にしている言葉です。

 

今、いろいろな身体や心、習慣の気になるところや不具合を抱えていたとしても、そうなるには理由があります。

私たちが生き残ろうしてきた証でもあります。

私たちは生き残るために、ときに周囲を警戒し、緊張させ、必要に応じて身体や心をかたくさせて対応しながら生きています。

必要がなくなれば、その緊張を解いて、緩めながら…

でも、ストレスが日常的に続くものだったり、あまりに大きなものの場合、その緊張を解くことができなくなり、かたさが固定されていきます。

そのように固定され、動きの小さくなってしまったところに私たちの振る舞いや認知は影響を受け、特定のパターンを形成していきます。

固定されて動きが小さくなってしまったところへ再び流れを生むには、身体が安全だと感じる必要があります。

危険を感じて身体をかたくさせるよりも、安全を感じてそれを受け入れて身体を緩めていく方がより時間を必要とします。

とくに、長い間安全を感じることができなかった身体の場合はなおさらです。

事故や手術など命に関わる出来事を経験したり、緊張を感じながら過ごす経験が長く続くと、身体は警戒モードから出てこれなくなるものです。

何か危機を感じて物陰に隠れてしまった動物が、危機が去っても再び表に出て来るまでには時間がかかるように。

私たち人間も同じです。

 

良きことはゆっくりと。