この技法は生きている組織(細胞)の持つ微細で自律的な動きの応答性を刺激し、深い変容をもたらす力を秘めたcoherentな状態(全体が一体となって揺らぐ状態)へと誘います。
軽いタッチにより身体の内側からの変化を促し、
coherentな状態の中で心地良さから離れて流れが止まってしまっているところに心地良さを取り戻していきます。
私たちの生体内のほとんどの細胞は安定した足場に接着した状態で存在しています。
細胞は安定した足場があることで増殖することが可能であり、浮遊状態ではいくら細胞に適した環境や栄養を与えても増殖することができずに死んでしまいます。安定した足場があることで広がっていくことができ、それにより内側のダイナミクスが生まれてきます。
私たちの生体は動いていたり、揺らいでいることが生物として自然な姿ですが、様々な理由により固定されてダイナミクスが失われてしまうことがあります。その動きが失われているところに動きを取り戻し、再調整されることで繰り返されるパターンの変化やその他の変容が起こり得る可能性があります。
その変化の土台となるのが細胞の原初的な「yield/イールド=ゆだねる」という動きです。
この技法はロルファーである田畑浩良氏が20年におよぶ臨床経験の中で探求され、進化し続けている技法です。田畑氏のロルフィングセッションを受け、yieldという視点に出会い、私の身体や人生の流れは自然に変化し、現在もそれは続いています。
2017年から田畑氏のもとでyieldについて学び、この技法の可能性を探求し続けています。
さらに、Ma/間を意識的に導入することで変容の基盤となる安全な場を構築することができます。
(The Art of yield / 田畑浩良氏HPより)