トントン

ときどき
どんなに頑張っても、
 
まだまだ。
それじゃ、だめだ。
 
そう言われているみたいに感じて
どうしたらいいのかわからなくて
 
迷子になったように
呆然と立ちつくしたまま
泣きたくなってしまうことがある。
 
 
 

誰かに
 
もういいよ。
十分だよ。
 
そう言ってもらいたかった。
 
 
 
これまで頑張ってきたことや
その中でどんな経験をしてきたのか
誰かに気づいてもらいたかった。
 
 
 
そんな自分がいることに
ある時気がついて
わたしがわたしに言ってみる。
 
 
もういいよ。
十分だよ。

 
 
 
そして
子をあやすように
 
トントン
トントン
 
一定の落ち着いたリズムで
自分をあやしていく。
 
 
 
 
自分に言えるようになって初めて
人に伝えられる言葉がある。