10代の頃から
周囲で起こる出来事を通して
自分の中に湧いてくる思いや問い
そんなものたちが溢れて
抱えきれずに圧倒されそうになるとき
河合隼雄さんの本を手にしてきた
本を読み終えると
あぁ
ひとつの正しい
答えなんてないんだ
それは自分で考えながら
生きていくしかないんだな
いつもそんな気持ちになって
「答えはない」
という事実に安堵し
葛藤し、もがいている自分を
諦めながら受容し
日常に戻っていくことができた
苦しさに
溺れそうなとき
わかりやすく
容易に掴めるような
支えや答えが欲しくなるものだし
本当は世界に答えはあるのに
私だけわかっていないような
心細さを感じたり
すでにそこにある答えを
早く見つけださなくちゃいけないような
気持ちになったりするけれど
そんなすべてを包み込んで
それが生きるってこと
そういつも教えていただいてきた
答えの出ない問いを
抱え続ける大切さについて
何度も教えていただいた
久しぶりに河合隼雄さんの言葉に触れて
そこから伝わる佇まいに
すっかり安心して
これでいいんだ
そう思えた。
人生に悩みや迷いがあるのが問題なのではなくて、
問題があるのにちゃんと悩んだり迷ったりしないことが問題なんですね。
そういう悩みや迷いを持ちこたえる力をぼくは「葛藤保持力」と言っているんです。
それが今、すごく弱くなっていると思いますね。
葛藤に耐えられないんじゃなくて
葛藤しない人が増えている。
「たましいに向き合う 河合隼雄」